【高校生】『推薦で大学に入る時代』は本当?国公立大学の推薦入試における誤解とは!?

『推薦で大学に入る時代』は本当?国公立大学の推薦入試における誤解を解説

国公立大学でも推薦入試は増加傾向にあります。

そのため、推薦入試をとりあえず受けておこうという安易な選択も増えています。

国公立大学の大学入試は、推薦入試もそう簡単ではなく、必ず合格できるものでもありません。

そう言うことを踏まえて、できるだけ正しい情報を収集して、適切な判断ができるようにしたいものです。

「推薦で大学に入る人が半分以上」という情報の落とし穴

最近、

「大学入学者の半数以上が推薦・総合型選抜」

という話を耳にする機会が増えました。

そのため、

「一般入試より推薦対策を優先した方がいい」

という宣伝も増えています。

しかし、この数字は、

大学全体(私立大学を含む)の話です。

国公立大学では事情が大きく異なります。

このことを踏まえた上で、

「自分は本当に推薦入試を受けるべきなのか」

を冷静に考える必要があります。

国公立大学と私立大学では推薦入試の状況が大きく異なる

「大学入学者の半数以上が推薦入試」という話を聞いたことがある人も多いでしょう。

文部科学省によると、2025年度の大学入学者のうち、総合型選抜による入学者は19.5%、学校推薦型選抜は34.1%でした。合わせると53.6%となり、確かに半数を超えています。

しかし、この数字だけを見て「これからは推薦入試の時代だ」と考えるのは早計です。

大学の種類によって、入試の状況は大きく異なるからです。

国立大学では、総合型選抜が7.7%、学校推薦型選抜が12.7%で、両者を合わせても20.4%です。一方、私立大学では総合型選抜が22.8%、学校推薦型選抜が38.8%で、合わせて61.6%に達します。

つまり、「大学入学者の半数以上が推薦・総合型」という状況には、私立大学の影響が大きく反映されています。

大学入学者の選抜方式別割合(2025年度)棒グラフ_横

国立大学を志望する高校生が、大学全体の数字だけを見て「一般入試より推薦入試の方が一般的になっている」と考えてしまうのは、実態とは異なります。

国立大学では現在も、一般選抜を中心とした受験を考えることが基本になります。

では、国立大学では推薦入試を実施している大学自体が少ないのでしょうか?

実は、そうではありません。

(表1)2026年度入試の実施状況

総合型選抜学校推薦型選抜
国立・大学数92.6%(75校/81校)93.8%(76校/81校)
国立・学部数93.3%(387/415学部)73.0%(303/415学部)
公立・大学数87.8%(86校/98校)99.0%(97校/98校)
公立・学部数84.4%(190/225学部)96.9%(218/225学部)
国公立・大学数89.9%(161校/179校)96.6%(173校/179校)

文部科学省が公表した2026年度入試のデータでは、国立大学81校のうち75校(92.6%)が総合型選抜を、76校(93.8%)が学校推薦型選抜を実施しています。

つまり、ほとんどの国立大学で総合型選抜や学校推薦型選抜を受験する機会そのものは確保されています。

しかし、「実施している大学が多い」ことと「募集人数が多い」ことは別の問題です。

2025年度の実際の入学者を見ると、国立大学で総合型選抜によって入学した学生は7.7%、学校推薦型選抜は12.7%です。両者を合わせても20.4%にとどまります。

大学入学者の選抜方式別割合(2025年度)棒グラフ_縦

したがって、「多くの国立大学が推薦入試を実施している」ことを理由に、「国立大学でも推薦入試が主流になった」と考えるのは適切ではありません。

推薦入試は「楽な入試」ではない

1. 推薦入試の内容は大学によって異なる

推薦入試は、

  • 面接だけ
  • 小論文だけ

というわけではありません。

実際には

  • 調査書
  • 評定平均
  • 志望理由書
  • 活動実績
  • 面接
  • 口頭試問
  • 小論文
  • 共通テスト
  • 学科試験
  • グループワーク
  • プレゼンテーション

などをいくつか組み合わせて選抜されます。 

どれを選択し、どう評価するかは、大学の学部・学科によって多種多様です。

志望大学の推薦入試の内容を確認して、どんな準備が必要かを知っておくことが大事になります。

2. 準備期間が長くなる

高校1年生からの評定が出願基準になったり、

高校内の選抜に利用されるので、

高校入学から推薦入試を意識して勉強する必要があります。

また、志望理由書や活動実績報告書などに必要な活動を、

高校生活の中で継続して行う必要があります。

さらに、英語資格検定などの検定資格が有利になる場合もあるので、

適切な時期に資格をとっておく必要があります。

推薦入試の出願が決まってからも、面接や小論文など、入試の準備に多くの時間が必要です。

上位の大学になればなるほど、準備期間が長くなり、内容の質も高いものが求められます。

3. 一般入試の勉強時間が減る

推薦対策は非常に時間がかかります。

その結果、

一般入試の勉強時間が減ってしまい、

推薦で不合格だった場合、

一般入試でも苦しくなるケースがあります。

4. 基本的に併願できない場合が多い

国公立大学の学校推薦型選抜は、

合格したら入学することが前提となる選抜がほとんどです。

「とりあえず受ける」

という受験ではありません。 

それでも推薦入試が向いている生徒

例えば

  • 将来やりたいことが明確
  • 学びたい学部が決まっている
  • 高校生活を計画的に頑張ってきた
  • 評定が高い
  • 活動実績がある
  • 面接で自分の考えを話せる

このような生徒には、

推薦入試は非常に有力な選択肢になります。

高校生へのメッセージ

推薦入試は「一般入試より簡単な入試」ではありません。

推薦入試を受けるかどうかは、

「流行っているから」では決めないことです。

自分の

  • 学力
  • 志望理由
  • 評定
  • 将来の目標
  • 一般入試との両立

を総合的に考えて判断することが大切です。

推薦入試は、

自分の将来像が明確で、そのための準備を高校生活を通して積み重ねてきた人に適した入試です。

大切なのは、推薦か一般かではなく、自分に合った受験方法を選び、その選択に必要な学力を着実に身につけることです。

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この記事を書いた人
盛岡個別予備校代表
盛岡個別予備校

歳弘 明 Toshihiro Akira
・盛岡個別予備校代表兼講師
・個別指導歴21年
・盛岡市出身/盛岡一高卒/北海道大学農学部卒

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